学びが続かない理由と、家庭でできるサポートのヒント
なぜ今、プログラミング必修化が保護者の不安を招いているのか
プログラミング必修化は「将来に必要な力を育てる」という目的で始まりましたが、実際に保護者の方々の間では複雑な気持ちが広がっています。というのも、みなさんもお分かりの通り、現在の親世代は学校でプログラミングを学んだ経験がほとんどありません。つまり、子どもが学ぶ内容に対して“比較ができない”のです。
実際、学校で使われている教材も多様で、授業ごとに先生の進め方も異なります。そのため「うちの子はどれくらい理解できているのか」「そもそも何を身につける科目なのか」という疑問が生まれやすくなっています。
さらに、テレビやSNSで「プログラミングは将来必須」と言われ続けていることで、“やっておかなければ取り残されるのでは”という焦りが加わるケースも少なくありません。このような背景が、保護者の不安を大きくしています。
※焦りが先に立つと、お子様にもプレッシャーとして伝わる可能性があります。
小学生がつまずきやすいポイントと現実
小学生が最初につまずきやすいのは、「論理的に組み立てる力」と「操作スキル」の両方が必要になる点です。例えばブロックをつなげてキャラクターを動かす場合でも、
・どの命令を先に置くか
・どれくらいの秒数で動かすか
・繰り返し処理を使うべきか
など、実は複数の判断が同時に求められます。
さらに、実際には「思った通りに動かないことの方が多い」という現実があります。大人でもプログラミングを始めたばかりの頃はバグと戦いますが、子どもにとってはなおさら難しいものです。そこで長い時間止まってしまうと、「もういいや」となってしまい、その後の学習に影響が出ることもあります。
とはいえ、適切なサポートがあれば、多くのお子様は“つまずき”を乗り越えることができます。むしろ、この最初の壁を突破した子はその後の伸びが大きいとよく言われます。
家庭では教えにくい「プログラミング的思考」とは
プログラミング的思考は、「物事を分解し、順番に整理し、必要な手順にまとめる力」です。これは学校の教科にもつながる大切な力ですが、家庭でゼロから教えるのは決して簡単ではありません。
実際、保護者の方は「正解を教える」ことはできても、考え方のプロセスを丁寧に伝えるのは難しいものです。また、親子だからこそ感情的になりやすく、「どうしてできないの?」という何気ない言葉が、お子様のやる気を下げることもあります。
プログラミングは“正解がひとつではない”ため、家庭内だけでサポートしようとすると限界が出やすいのも事実です。
※考え方を言語化して伝えるには、教える側の余裕もとても重要になります。
子どもが飽きずに続けられる教材の条件
子どもが途中で飽きてしまう理由は「難しい」「分からない」「達成感が得られない」の3つです。この3つが少しでもそろうと、集中力が切れてしまいます。
一昔前までは“問題を解く”だけの教材が多かったですが、最近はストーリー性やキャラクターが登場する“ゲーム的な学習教材”が人気です。実際に「今日はどこまで進められるかな?」とワクワクしながら取り組んでくれるケースも多く、継続率が大きく変わると言われています。
また、ステップが細かい教材ほど「できた!」を積み上げられるので、自信が自然と育まれます。これは子どもの継続力に非常に大きな影響があります。
タイピング習得がプログラミング成功を左右する理由
プログラミングには必ずタイピングが必要ですが、「頭では分かっているのに入力が追いつかない」というストレスが学習の妨げになることがあります。これは大人でも同じで、文字を入力する動作が苦手だと、どうしても作業効率が下がります。
実際に、プログラミングの学習が思うように進まない理由として「タイピングが苦手」という声はよく挙がります。タイピングは基礎体力のようなもので、早めに習得しておくとその後の成長スピードが大きく変わってきます。
※キーボードの正しい指配置は、早めに身につけておくほど後が楽になります。
プログラミングを続けられる子と続かない子の違い
続けられる子は、「挑戦→成功→挑戦」という小さな成功体験のサイクルが崩れにくい傾向があります。成功体験が頻繁に積み重なると「もっとやってみよう」という好奇心が自然に膨らみます。
一方で、続かない子は“分からない時間が長い”“質問しにくい”“成果が見えにくい”という要素が重なりやすく、小さな負荷が積み重なってしまうことがあります。
また、続けられる子は周囲からの「見てもらえている感覚」が強い傾向があります。これは、どんな習い事でも共通する大切なポイントです。
個別指導が必要とされる背景
同じ教材を使っていても、子どもによって理解スピードがまったく違うのがプログラミング学習です。ある子はすぐに理解できても、別の子は時間をかけて丁寧に歩んでいく必要があります。
個別指導はこの“差”を自然に埋めることができます。つまずきをその場で解消できるため、習熟のズレを放置しにくいのが大きなメリットです。
さらに、個別なら「こんなこと聞いてもいいのかな?」という遠慮がなくなり、質問しやすい環境が整います。これは特に初学者にとって大きな安心材料になります。
プログラミング必修化と大学入試の関係
2025年から大学入学共通テストに「情報」が新設され、その中でもプログラミング分野は注目されています。もちろん小学生の段階で大学入試を意識する必要はありませんが、今後“情報リテラシー”は確実に求められる力になると言われています。
プログラミング的思考は、早い段階から触れておくことで自然と身につきやすく、中学生・高校生になった時に大きな差として現れることもあります。
まず保護者が知っておくべき“最低限の理解”
保護者がすべてを教える必要はありませんが、
・何を学ぶ科目なのか
・どんな力につながるのか
・どこでつまずきやすいのか
この3つだけでも知っておくと、お子様の学びへの理解が深まり、安心して見守れるようになります。
また、親が安心している姿は、子どもにとっても「大丈夫」という心理的な支えになります。
家庭でできるサポートと教室を使うメリット
家庭でできる最大のサポートは、
・興味を否定しない
・できた部分をしっかり認める
この2つです。これは単純に見えますが、多くのお子様にとって非常に大きな力になります。
とはいえ、プログラミングは専門的な知識が求められる場面も多く、家庭でサポートするには限界があります。そのため、個別指導の教室のように“学びのプロ”が伴走してくれる環境があると安心です。
特に忙しい家庭では、進度管理やつまずきのフォローを任せられることで、保護者の負担が軽くなるという大きなメリットがあります。

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